ゆりどく

百合的な何かを書いていこうかなと

【薬屋のひとりごと】「好きな人に嫌われたくない」は百合ではない

薬屋のひとりごと2期が始まりましたね。まさか2期があるとは知らなくて、びっくり&大変うれしいうれしいとなっています。

さて今回はアニメ1期9話以降を見ての感想を書いていきます。

 

主な登場人物について。

 

阿多(アードゥオ)妃
上級妃と呼ばれる後宮で最も位が高い四夫人の内のひとり。以前男子を出産しているが、その時に子供が埋めない体になってしまう。またその男子も亡くしている。男前の性格で女性の装いより男装の方がよく似合う。

 

風明(フォンミン)
阿多妃の侍女頭。阿多妃を心から敬愛しており、古くから彼女に仕えている。

 

里樹(リーシュ)妃
阿多妃と同じく上級妃のひとり。アレルギー持ちで食べられないものがあるが、ただの偏食と思われ侍女からいじめを受けている。また本人は覚えていないが赤子の頃に蜂蜜を食べたことで死にかけた経験をしている。

 

主人公の猫猫はもうみんな知ってるから割愛していいよね?ありがとう!!

 

以下ネタバレ注意。

 

阿多妃の赤子を世話していた風明。蜂蜜が赤子にとって毒であることを知らずに食べさせて死なせてしまった。蜂蜜が毒であることを知ったのは、里樹が赤子の頃に蜂蜜で死にかけたという話を聞いてからである。
このことが里樹の口から阿多の耳に入ったら、知らなかったとはいえ風明が原因だということがばれてしまう。そうなる前に里樹を毒殺しようと計画を立てていく。というのがあらすじだ。


風明は阿多に憧れて結婚もせずにずっと侍女をやってきた。ここだけ見ると百合なのだが、一連の事件を考慮すると本当に百合なのか疑問に思ってしまう。あまりにも身勝手な犯行で、阿多のためというより自分のことしか考えていない。

 

相手のために罪を犯すというのは世間的に見て許されないが、百合を感じるのには十分な要素である。ただしこの物語では敬愛する人に嫌われたくない、失望されたくないと考え、犯行に及んでいる。それは相手のことよりも自分の保身を優先した行動だ。

 

例えばの話。とある会社の新人女子社員には尊敬する女上司がいるとして。新人はそれなりに仕事を任されてきて「信頼されてるんだ!」と思った矢先にとんでもない失敗をする。その時に上司から嫌われたくない失望されたくないと思うのは自然なことなのでまだいい。ただこのことを報告せずに隠ぺいするとなると、話は違ってくる。上司としては失敗も報告してほしいのに新人はそれをしなかった。相手のことを考えずに、自分のことを優先した結果である。これは百合ではない。

 

 

「好きな人に嫌われたくない」

百合以前に人間としてそれは当たり前のことなんだろうけど、その感情は好きな人ではなくて自分に向けた感情だ。一方通行にすらなっていない。

そもそも百合とは「女同士」について。同士とあるから最低ふたりは女が必要になってくる。自分ことしか考えない状況は女単体でしかなく、それでは百合は成立しないと思うのでした。

 

 

 

 

 

 

さらにネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作には書かれていないが、毒殺失敗した風明は首をくくろうしていた。しかしそれを部下の下女に見つかってしまう。事情を知った下女は風明を守るために掘りへと身投げした。

これは百合だな。間違った方法かもしれないが風明のことを考えた結果の行動だ。

 

実は漫画(サンデー版)の方は原作者監修のもと、より丁寧に描写されている。原作を読んでもよく分からなかった方は漫画(サンデー版)を読んでみるといいかもしれない。ガンガン版は原作準拠のためこの描写はないので注意。

 

 

 

これは関係ないサムネ用