通勤は自転車だ。毎日安全運転を心がけている。
いつものように自転車で通勤していると男女のカップルが前を歩いていた。手をつないでいて仲がよさそう。
危なくないようにどうやって追い抜こうかと考えてると彼氏さんのほうが彼女さんの手を引っ張って自分側に寄せていた。おかげで無事に追い抜くことができた。
こういうの大変良き。今回はたまたま男女のカップルだったがそれが女性同士であっても尊いってなる。自転車という危ない乗り物が近づいてきているが、彼女をかばうことで尊みが増す。さらにふたりの仲も深まるという。素晴らしい。
物語ではよくあるパターンだ。危機的状況の中でお互い協力し助け合うことで仲良くなり、大切な親友や恋人になっていく。そしてその危機的状況を作り出すのが悪役の存在である。悪役がいなければ危機的状況は発生しないし、ふたりは協力しないので仲もそこまでよくならないし、何なら出会わなかったかもしれない。
悪役は新たな人間関係の構築に役立っている。恋愛は障害があればあるほど燃え上がるという。その障害の原因は悪役にある。今回の自転車で危機的状況を作り出した僕は悪役といってもいいかもしれない。
百合の邪魔はしたくない。けど良い百合が生まれるならそういう悪役になっても良いんじゃないのかなと思うのでした。