とあるRPG系乙女ゲームの悪役令嬢レミリアに転生した「エミ」は、ゲームのヒロイン「星の乙女」により努力虚しく断罪されてしまった。エミの冤罪を晴らすため、そこに現れたのは中から見守っていた本来のレミリアで――。本物の悪役による復讐劇が始まる!一迅社ノベルスの話題作『悪役令嬢の中の人』待望のコミカライズ!単行本だけの描き下ろし短編も収録!(アマゾンより抜粋)
百合の巨大感情がここにあった。
まきぶろ先生・ 白梅ナズナ先生『悪役令嬢の中の人~断罪された転生者のため嘘つきヒロインに復讐いたします~』既刊3巻までを読みました。
— りん (@UPcB0kMMLJhrCf2) 2023年10月3日
レミリアからエミへの巨大感情が大変尊い。悪役令嬢のレミリアが笑う時はすごく悪い顔なのだが人前では優し笑顔になる。その笑顔はエミを参考にしてるの良き。
ネタバレ注意
星の乙女によって謂れなき罪を被せられて絶望し、意識を失ったエミ。そして本来の体を取り戻したレミリアは大切なエミを追い詰めた星の乙女と取り巻きに復讐するために水面下で着実に準備を整えていく。利用できるものは全て利用し、使えそうな人材には優しく接して心を掌握していく。これも全てエミのため。次にエミが目覚めたとき、彼女にとって過ごしやすい世界を作ることがレミリアの目的なのである。
幼少期から誰からも見向きもされなかったレミリアを唯一愛したのが、自分の体を乗っ取ったエミだけだった。そんなの好きになるに決まっている。だからこそ徐々に追い詰められていくエミに対して、体の中から見ることだけしかできないのはとても歯がゆかったに違いない。
追放されたが逆に心が休まる。家は自分を疎んでいる両親とメイドばかり、学園は星の乙女とその取り巻き。すべての場所は敵ばかりだった。けれど今日から住むくたびれた屋敷には誰もいない。ここにあるのは二人を包む静寂と君への想いだけ。
レミリアの復讐は水面下でじわじわと進んでいく。それは周囲にいる人間を巻き込むことさえ厭わない。困っている人間だろうが、不遇の立場にある魔族ですら利用できるものは利用する。結果、彼らが救われるかもしれないがレミリアにとっては些細な事。
全てはエミのために。
レミリアとエミ