渡会けいじ『弁天ロックゆう』1巻の感想です。
とても気になっていた漫画です。
少し昔の本(2015年)ですが評判も良くておもしろいと、いろいろな場所でレビューされていました。
しかし当時は近くの書店や古本屋さん、アマゾンですら売り切れで取り扱っていませんでした。
購入をあきらめ、月日は流れること2020年。
紙しか読まねえとうそぶいていた僕ですが、絶版した本を読むためにとうとう電子書籍に手を出していました。
で、今回の『弁天ロックゆう』も電子書籍化していたので何かの縁だと思い、やっと読むことができました。
1巻はあまり百合百合していなかったです。
主人公のいずみが音楽に出会い、だめな自分を変えていこうとする始まりの物語でした。
あらすじ
主人公のいずみは人見知りが激しくて対人恐怖症です。
友達もノリコしかいなくて基本的にぼっちです。
ある日二人は神社へ行くと神様に出会います。
神である弁天さまは琵琶を弾いていました。
いずみはその音色をがまるで桜が舞っているかのように見えてしまいます。
弁天さまはいずみが音が見える共感覚の持ち主であることに気づきました。
稀有な才能を持ったいずみに弁天さまはあるお願いをします。
それはギターが上手くなりたいと願ったまま死んだ女子高生の曲を完成させてほしいというものでした。
ためらういずみでしたが弁天さまのデモンストレーションを聞いて、曲作りを引き受けます。
百合と依存は別物
友達のノリコは独占欲が強いみたいですね。
だめだめな主人公を私が支えてあげるという一種の依存に囚われています。
弁天さまもすぐ気づいたようで、いずみを自立させようと画策していきます。
個人的な考えですが、一方的な百合は健全ではないと思うのですよ。
やはりふたりの立場は同じで、支え合ったり助け合ったりするのが良いのです。
いずみも今のままじゃだめだと思っており、自分を変えていこうと弁天さまの画策に乗ります。
今後のいずみの成長に期待していきたいです。
変だけどダメじゃない
弁天さまの画策した人見知り克服のため、いずみはお祭りのステージでギターを演奏することになります。
二人は以前お世話になった楽器屋さんがバンドもしていると聞いていたのでステージのサポートを依頼します。
まずはいずみのギターの腕を見たいということで、スタジオを借りて演奏します。
いずみは緊張のため普段よりうまく弾けなくて、ドラムのクロエに怒られてしまいます。
そこでノリコは緊張しないようにと、いずみにマスクをかぶせます。
演奏は上手くいきますが、クロエから変と言われます。
おそるおそるダメかかと聞くいずみですが、ダメやないけど変と即答されました。
変なマスクを着けてまで自分を変えようとするいずみが、バンドの人たちに認めらたシーンでもあります。
百合の種はまかれた
冒頭でも書いたとおり、1巻の百合要素は少なめです。
ただいずみとノリコは依存を抜け出すことができるのか、
弁天さまと死んだ女子高生の過去のやり取りとかが気になります。
この辺りのフラグが良い百合要素になりそうです。
キーポイントはいずみの成長にあるのではないでしょうか。
依存からの脱却、人間的な成長と音楽技術の成長。
この二つのポイントに注目しながら2巻も読んでいきたいと思いました。
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