ゆりどく

百合的な何かを書いていこうかなと

『スカーレット 2巻』官能的に素肌を重ねる人狼と狼のダークファンタジー

結野ちり『スカーレット』2巻の感想です。

f:id:rindokudoku:20191224224058j:plain

表紙

うをーーーーーん(慟哭)

貴重なファンタジー百合枠の漫画が終わってしまったああ。

フィーネは人間に戻るため、狼のアイリスとともに、

魔薬を取り締まっていくというお話です。

今回はちょっとえちぃ内容となってますので閲覧注意です。

 

魔薬強制捜査という名のパーティが終わり、重傷を負ったフィーネ。

医者に診せると人狼だとばれてしまうので、ベッドでおとなしくしています。

そこにアイリスがお見舞いに来ていきなり裸になれと言い出しました。

何か勘違いするフィーネですが、肌に触れて減った魔力を与えることで傷を治すとのこと。

f:id:rindokudoku:20191224224359j:plain

素肌を重ねて魔力を明け渡す

ただ好きな人が裸のままでいたら、したくなると、丸一日やりまくるアイリスでした。

やはりフィーネはネコでしたね。

f:id:rindokudoku:20191224224557j:plain

エロ漫画で有名な定点カメラ描写

翌日、無事に傷が治ったフィーネですが、アイリスの方は古傷が開いてしまいます。

フィーネの回復に魔力を使ったため、アイリスは回復が追いつかなくなったようです。

自身を犠牲にしてまで治療してくれるアイリスに、フィーネは再度彼女に食べられてもいいと思うのでした。

 

  新人美少女の末路

さて、強制捜査で唯一生き残ったミザリー

魔薬の悲劇を止めたいとフィーネたちが所属する組織に入ります。

f:id:rindokudoku:20191224225138j:plain

魔薬の取引は重罪だが、組織への推薦加入で免罪される

新人のミザリーを気に掛けるフィーネ。アイリスはおもしろくないようです。

ミザリーに対してアイリスは辛らつな言葉を放ちます。

やきもち焼くのはわかるけど、ちょっと度が過ぎませんかアイリスさん?

痛いところを突かれたミザリーは思わずその場から逃げ出しました。

もちろんフィーネは追いかけます。

 

ひとりになったミザリーの所へ狼の真祖が現れました。

真祖は魔薬を使って楽になってみないかと誘います。

しかしミザリーは薬にはすがらないと薬を拒みました。

そこにフィーネがやっと追いつきます。

f:id:rindokudoku:20191224230654j:plain

首謀者の真祖と出会うフィーネ

フィーネが人間に戻るためには真祖の血肉が必要であり、また真祖自体が魔薬をばらまく元凶でもあります。

宿敵とばかりに討伐にかかるフィーネ。

しかし人狼であるフィーネでは太刀打ちできません。

それどころか真祖によって力を暴走させられ、ミザリーを殺してしまいます。

f:id:rindokudoku:20191224225015j:plain

斬り殺されたミザリー

 

世界の全てが敵になろうとも…

暴走したフィーネが現れたことで町は逃げ惑う人々で大混乱です。

逃げ遅れた子供を手にかけようとした瞬間アイリスが止めに入りました。

f:id:rindokudoku:20191224230102j:plain

暴走フィーネを止めるアイリス

 自我を戻したフィーネでしたが、組織の仲間に人狼だとばれてしまいます。

このままでは人間に戻るという目的を達成する前に、組織によって討伐されてしまいます。

たとえ世界がすべて敵になったとしても、二人は組織と戦う決意を固めるのです。

私たちの戦いはこれからだ!というところで終わり。

f:id:rindokudoku:20191224230407p:plain

「もう一度私と一緒に戦ってくれるか」「…ええ」

ふたりが目指した未来について

巻末には書下ろしで「IF」の話がありました。

最終話っぽい内容ですが、そこにたどり着くまで過酷な旅路だったと伺えます。

果たしてこれがハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか分かりません。

ただこれは二人が望んだ結果にはなったかなと思います。

 

個人的には2巻で終わったことの方がバッドエンドです。

ダークファンタジーで百合で、しかも絵がきれいで設定も面白いのに。

もっとふたりのことを見続けていたかったです。

  

アイリスとフィーネにはお互い人間ではないという秘密の共通点を持っています。

そして秘密がバレたらタダではすまないという危険もあるのです。

これってふたりの関係がばれてもばれなくても、どちらでも美味しいと思います。

 

結局ばれてしまって組織総出で狩りの対象にされてしまいました。

多分ですが、逃亡しながらたったふたりで生きてきてからのIFルートなのでしょう。

ばれないなら、秘密の逢瀬を重ねていくという美味しさがあります。

別のルートでこういう結果もあったかもしれません。

 

どちらにせよ周囲の人間に隠れながら百合百合する。

こういうのをもっと見たかったのです。

 また別の機会で見られると信じて、引き続き結野ちり先生を応援したいと思います。