KUJIRA『世界の終わりと魔女の恋』の感想です。
貴女に、堕ちてしまった――。世界を滅ぼす百合ファンタジー(帯)
魔女狩りにあい、人間への復讐を誓う魔女達。
17才の魔女・アリスは、由緒正しい魔女の血筋を引く者として、
魔女だけしかいない学園で日々修行を重ねていた。
そんなある日、人間と魔女の血を引くマリが転入してくる。
半端者として忌み嫌われるマリを、気にも留めていなかったアリスだが、
マリが見せた“最強の魔法”を目にした瞬間、彼女は堕ちてしまう。
自らを、そして世界をも滅ぼす「恋」に――。(裏表紙より)
優等生魔女と空気の読めない転入生
人間に復讐を果たすために作られた魔女の学校。
そこに在籍する優秀なアリスは満足に魔法も使えない転入生マリの教育係となるお話です。
人間であるマリは復讐するより、手を取り合うべきと発言したため職員室に呼ばれます。
そして担任のドリー先生はアリスにマリの教育係を申しつけます。
さっそく一緒の相部屋なるふたりでしたが、アリスの取り巻きたちは納得いかない様子です。
消灯の時間だからとしぶしぶ退散していきました。
いきなり現れた転入生に憧れのアリス様が取られるのはおもしろくないですもんね。
そしてその夜、同じ部屋で寝ているマリがうなされているのに気づくアリスでした。
翌日の飛行魔法の授業では軟膏が必要です。
しかしアリスはそのことをマリに教えてませんでした。
その他にもマリがいろいろ失敗して、アリスが先生に怒られてしまいます。
迷惑かけてごめんとあやまるマリと、明日からはちゃんと教育係をするとアリス。
そしてアリスはよく眠れるようにとマリに魔よけのポプリを渡します。
悪夢にうなされずに済むそうです。
縮まるふたりの距離
魔法薬の調合にはカエルの肝が必要で、カエルを殺して肝を取り出さないといけません。
マリは命を粗末にする魔女のやり方を非難します。
ここでマリは自分の魔法を使います。
蘇生魔法でカエルだけじゃなくて乾燥した薬草も蘇らせます。
蘇生は優等生であるアリスや、先生ですら仕えない上級魔法です。
そこからアリスは少しずつマリに惹かれていきます。
ほうきの使い方を教えるアリス
魔よけのポプリのお礼をするマリ
恋をすると魔法が使えなくなる
ある日、マリはアリスの取り巻きに連れられて召喚陣の書かれた大きな部屋に来ます。
アリスのそばにいるマリが気に入らない彼女たちは、悪魔を召喚してマリを二度と戻って来れない場所まで飛ばしてもらおうと画策しています。
マリのピンチに気づいたアリスでしたが、彼女の元へ向かう途中で魔法のほうきが小さくなってしまいました。
「恋に落ちると魔法が使えなくなる」幼いころから言われてきた言葉を思い出します。
魔法で感情を消していたのですが、マリの蘇生魔法で再び感情が芽生えたのでしょう。
魔力がなくなってしまったらマリの魔法が使えなくなってしまうからと、アリスは再び魔法のほうきを展開させます。
そしてマリの元へと駆け付けるのですが、飛ばされようとするマリの手を精一杯で二人は一緒に魔女学校から消えてしまいます。
飛ばされる途中でアリスは離ればなれにならないようにリボンでお互いの手を結ぶところが、百合めいててとても良いです。
ふたりは元々マリがすんでいた所まで飛ばされてしまいます。
といったところで次巻へ続くみたいですね。
アリスはクールな性格ですが、自分の恋心に気づいているみたいですね。
逆にマリはアリスのことを友達としてみています。
今後この関係性がどうなっていくか、ふたりの成長を見ていきたいなと思いました。